ナンパしてくる男達の中から

ナンパしてくる男達の中から

智樹に駅前でナンパされたとき、誰か泊めてくれる人を探していたから、すぐについていった。

 

私、ちょっと大きめのバックを持っているから、ナンパしてくる男も行くあてがないってわかるみたいで。

 

うるさいくらいナンパしてくる男達の中でも、智樹はマジメそうっていうか、安全そうだった。

 

ナンパしてくる男達の中から

 

毎日、こうやって、ナンパしてくる男達の中から、安全そうな男を選んでついていって、泊めてもらう。

 

ナンパの目的はもちろん、セックスだから、もう何人とセックスしたかわかんない。

 

セックスは好きでも嫌いでもないけど、宿代だから、セックスしないわけにはいかない。

 

気持ち悪いから、できれば、フェラチオとかしないで、おまんこに挿入だけされて終わりたいんだけど・・・。

 

どうしてもっていわれたら、フェラチオもイヤイヤする。

 

ナンパしてくる男達の中から

 

追い出されたら、またナンパされるの待たないといけないし。

 

智樹はなんかいいひとそうだった。

 

「おなかへってない?」

 

とか、

 

「寒くない?」

 

とかきいてくれて。

 

ごはんをおごってくれて、連れて行かれた部屋もすごくキレイだったし。

 

智樹がしばらくいてもいいよっていってくれたら、ここにいたいなって思った。

 

ごみ溜めみたいな部屋に住んでるヤツに限って、しばらくいなよとかいってくるけど、家政婦とかにされんのもイヤだし、監禁とかも怖いから、ナンパしてきた男の部屋に泊まるのは、一日だけっていうのが自分ルールだった。

 

「お湯ためるから、お風呂に入りなよ。」

 

薔薇の香りの入浴剤でほんのりピンクに染まったお湯につかっていると、なんだか涙が出てきた。

 

親と上手くいってなくて、勢いで家出しちゃったけど、ナンパしてくる男の家を渡り歩く生活に疲れていたのかもしれない。

 

明日になったら、住み込みで働ける仕事を探して、もっと落ち着いた暮らしをしよう。

 

ちょっと元気になって、さっぱりした気分で、お風呂を出た。

 

ふかふかのバスタオルで髪を拭いていると、しあわせな気持ちになってくる。

 

ナンパしてくる男達の中から

 

「布団、敷いておいたから。」

 

智樹がミネラルウォーターのボトルを手渡してくれた。

 

ナンパなんてしそうもない智樹がどうして私をナンパしてきたのか、すごく不思議になる。

 

「あのさ、なんで私のこと、ナンパしたの?」

 

智樹はちょっと照れたようにしながら、

 

「自殺した妹に似てたんだ。」

 

っていった。

 

なんていっていいのかわかんなくて、一生懸命言葉を捜していると、智樹が手を伸ばして、私の顔にふれた。

 

「本当にそっくりだ。ちょっとロリっぽい顔も、かわいい声も・・・お兄ちゃんって呼んでくれないか?」

 

智樹の顔が切なそうだったので、

 

「お兄ちゃん。」

 

って呼んであげた。