潮吹きのコツ

潮吹きのコツ

私の夫は、一回り以上年上だ。

 

政略結婚だったから、私は夫に恋愛感情を持ったことがない。

 

夫もきっと、私の家柄や容姿に惹かれたのであって、私の内面を好きになったわけではないだろう。

 

だって、お見合いしたときには、もうほとんど結婚が決まっていたんだし。

 

潮吹きのコツ

 

幼稚園から短大まで一貫教育のお嬢様学校に通っていたせいで、私は男性とほとんど話したことがない。

 

男性と一番たくさん話した記憶は、幼稚園のときに、浩介というお兄さんに一日遊んでもらったことぐらいだ。

 

いろんなことを知っていて、やさしくて、かっこよかった(顔は覚えてないけど)お兄さんが私の初恋だったと思う。

 

でも、それ以来、会うことも噂をきくこともなかった。

 

だいたい、そのお兄さんがどこの誰かもわからないのだ。

 

唯一、記憶に残っているのは、そのお兄さんを浩介お兄ちゃまと呼んでいたことくらい。

 

偶然だけど、私の夫も浩介という名前だ。

 

だから、セックスのときは、目を閉じて、浩介さんとつぶやく。

 

今、私を抱いているのは浩介お兄ちゃまだと想像すると、セックスがちょっと気持ちよくなるような気がする。

 

夫とのセックスはかなり苦痛だ。

 

いっそ淡白に自分勝手に射精するとか、外に愛人を作ってくれればいいのにと思うくらい、ねちっこくしつこく体をいじられる。

 

潮吹きのコツ

 

私はもしかすると、不感症なのかもしれない。

 

セックスが気持ちいいと思えないのだ。

 

夫はいわゆる成金で、私は没落貴族の娘だ。

 

こういう組み合わせで、夫婦仲がいいという話を私はきいたことがない。

 

今日、暇つぶしに入った夫の書斎で、「女の悦ばせかた」という本をみつけた。

 

Gスポットの探し方とか潮吹きのコツなどの性のテクニックがたくさん書かれている。

 

ああ、これか、と私はげんなりした。

 

この本のせいで、最近、夫は私に潮吹きさせようとしつこいのか。

 

おまんこの奥が痛くなるくらいしつこく指でさわられて、潮吹きどころではないのだ。

 

そんなに潮吹きがいいなら、潮吹きできる女性とセックスしたらいいのに。

 

潮吹きのコツ

 

私はため息をつきながら、本を元の場所に戻した。

 

なにか面白い本はないかと、本棚を眺めていると、一冊だけ埃の付いていない本をみつけた。

 

「文学概論」

 

やたら分厚いその本は、開いてみると、中がくりぬかれていて、鍵が入っている。

 

どうやら、机の引き出しの鍵らしい。

 

私はなんだかわくわくして、夫の机の引き出しの鍵を開けた。

 

もしも、夫にとって弱みになるようなものをみつけられたら、それをネタに性生活を回避できるかもしれない。

 

潮吹きさせようとしつこく膣壁をこすられるのが、私にとって拷問のように苦痛だったのだ。

 

潮吹きのコツ

 

引き出しに入っていたのは、古い写真だった。

 

幼稚園くらいの私と背の高い男性が並んで笑っている。

 

そのぼろぼろの写真を見たとき、私の体を電流が走った。

 

これは浩介兄ちゃまだ・・・。

 

どうして、どうして夫が彼と私の写真を持っているのだろう。